毎月レポート

19.02.01

 知識と情熱の証し。趣味の領域にまで広がる「検定」人気。

 「検定」といえば、就職や仕事に役立つスキルを磨いて資格を取得するといった、どちらかというとお堅いイメージが一般的でしたが、近ごろの検定は、そういった実務的なものより、“趣味”の領域で盛り上がりを見せています。

 

 一種の“オタク度”を測る指標として活用されてきているようで、検定の種類も、無いジャンルは無い、と言われるほど多岐に渡っています。例えば-------

 ゴジラ誕生65周年を迎える今年から、「ゴジラ検定」がスタートします(企画・運営/東宝・日本出版販売)。ゴジラファンなら知っておきたい様々な問題が出題。受験料は、初級5000円、中級6000円。検定のための公式テキスト(1400円)の販売や、試験当日には、会場(東京・大阪)での限定グッズ販売のほか、合格者のみに検定オリジナルグッズが販売されます。

 「なにわなんでも大阪検定」(企画・運営/大阪商工会議所)は、「江戸検定」と並んで受験者数が多い人気ご当地検定の一つで、年1回(秋)、大阪で実施されます。受験料は、初級3800円、上級5800円。

 納豆をより楽しむための知識をつけてもらいたいと生まれたのが、「納豆真打検定」(企画・運営/全国納豆共同組合連合会)。100点満点で、55点以上が“前座”、75点以上は“二つ目”、90点以上で晴れて“納豆真打”に認定されます。受験料は4000円、東京と名古屋で実施されます。

 外国人が日本で賃貸住宅を借りるときにいろいろサポートする資格が取得できる「賃貸生活マナー検定」というものもあります(企画・運営/賃貸生活マナー検定協会)。主催者企画の公式テキストより出題され、100点満点の96点以上が上級、85~95点が中級(84点以下は不合格)。受験料は6480円。

 ほかにも、「朗読検定」「成田空港検定(そらけん)」「発酵検定」「ねこ検定」「古文書解読検定」「ことわざ検定」「日本さかな検定(ととけん)」「入浴検定」「深海生物検定」「日本掃除能力検定」「夜景観賞士検定」等々、趣味系検定の種類は枚挙にいとまがありません。

 

 趣味系検定をビジネスとして展開している代表格が、出版取次最大手の[日本出版販売]。各検定には、それぞれ指定された公式テキストが存在し、そこから出題されることが多いため、受験者にとって購読必須であるテキスト本の販売が事業の中心となります。また、検定の種類によって催される“関連イベント”も検定ビジネスの大きな柱となっています。

 

 人生百年時代といわれる中、幾つになっても自分が好きなことへ挑むあくなき向学心、思い入れの証しをカタチにしたいと励む情熱。どうやら、趣味系の盛況で、検定の世界に新たな社会的意義が付加されたようです。

 


【参考】
日本出版販売 http://www.nippan.co.jp/
日経МJ(2018年9月28日付)




現代の“赤い糸”? アプリが結ぶ「ネット婚活」、急拡大。

 結婚しない男女の数が、年々増え続けています(総務省)。その多くを占めるのが、結婚したいのに出会いがなくてできないという切実な理由。そんな、“したくてもできない”男女の助け舟としてここ数年、需要が急増しているのが“婚活サービスビジネス”です。中でも、スマホの普及を追い風に、インターネット上の婚活サイトや婚活アプリ(マッチングアプリ)を使って結婚相手を見つける「ネット婚活」が急拡大。結婚相談所などのリアルな出会いを仲介する市場に急迫するほどの勢いです。仕組みは、アプリによって多少の違いはありますが、まず登録して自己プロフィール(年齢・職業・年収・趣味など)を入力後、検索して気になる相手を見つけたら「いいね!」を送信。相手からも「いいね!」の返信があるとマッチング成立。メッセージのやりとりを数回繰り返した後、実際に会うか否かを決めるというもの。利用料金は、男性のみ課金のケースが多く、3000~4000円。

 

 現在、婚活アプリ市場は、最大手の[Pairs(ペアーズ)](運営/エウレカ)が会員数800万人とダントツ。趣味や好きなものをアピールするコミュニティー機能(約10万種類)が充実しているのが特徴。

 2012年開設の元祖婚活アプリが、[Omiai(オミアイ)](運営/ネットマーケティング)。会員数は351万人。20~30代で8割以上を占めており、まさに結婚適齢期のアラサー世代向きのアプリといえます。ほかにも、“恋活”から始められる[タップル誕生]、30~40代の利用者が多い[youbride(ユーブライド)]、リクルート発刊の雑誌『ゼクシィ』の調査に基づいて相性のいい相手を探す[ゼクシィ縁結び]、グルメ情報誌『東京カレンダー』が運営する高収入の男性会員の多い[東カレデート]等々、多くの有名企業が婚活アプリに参入しています。

 

 急拡大の裏で運営会社を悩ませているのが、援助交際など、“出会い系”まがいへの対策です。そこで、[結婚・婚活応援プロジェクト](2015年設立)は昨年、ネット婚活サービスを提供する大手7社による自主規制ルール“7つの約束”を策定。18歳以上の年齢確認をはじめ、身分証明書による本人確認、顔写真提出の義務化、独身であることの確認の徹底など。さらに、悪質な利用者のブラックリスト化と強制的退会ルールの運用などを申し合わせました。

 ひと昔前なら“ネットで結婚相手なんて……”と一抹の不安があったマッチングアプリも、いまや出会いの一つの手段として市民権を獲得。働く女性が増えたことに伴う晩婚化と晩産化。減少傾向に歯止めがかからない低い出生率など。大げさではなく、これらの課題の有効な解決策の一つとして注目されるオンライン婚活サービスの果たす社会的役割は、今後ますます高まることが予想されます。

 


【参考】
総務省 http://www.soumu.go.jp/
Pairs https://www.pairs.lv/
Omiai https://fb.omiai-jp.com/
タップル誕生 https://tapple.me/
Youbride https://youbride.jp/
ゼクシィ縁結び https://zexy-enmusubi.net/ 
東カレデート https://tokyo-calendar-date.jp/
一般社団法人 結婚・婚活応援プロジェクト  https://kekkon-konkatsu.jp/
朝日新聞(2018年8月30日付)

 




ライブ市場拡大の恩恵? ファンの必須アイテム、「双眼鏡」需要が急伸。

 CDなど、音楽ソフトの売り上げ低迷をしり目に、ライブ・エンターテインメント市場は大盛況。2017年には、過去最高の市場規模を記録しました。加えて、トレンドである“コト消費”の盛り上がりを追い風に、スポーツ観戦の動員数も増加。

 

 こうした流れは、思わぬところに恩恵をもたらしています。それは、アーティストの表情を手に取るように見ることができると人気が高まっている「双眼鏡」です。

野鳥や星などを見るアウトドア用としてではなく、コンサートや観劇、スポーツ観戦などのエンタメ用としての人気がうなぎ登り。いまやファンにとっては、ライブ会場への欠かせない“パートナー”となって需要を押し上げています。

 

 特に人気なのが、“手ブレ補正機能”を搭載した防振タイプの高機能機種。会場が暗転してステージのみに照明が当たる場合などに発生する手ブレを、センサーが感知して視界を安定させる仕組みです。このタイプは、モーターや様々な電子部品などのパーツが多くなるため、どうしても通常のもの(重量約200~300g、価格約3000~1万円)よりも、やや重く(約500~1300g)、かつ高価(約2万5000円~)になることは否めません。

 

 ちなみに、双眼鏡の倍率で気をつけたいのは、倍率が高いほどよく見える、ということではないということ。むしろ倍率が高すぎると手ブレの影響を受けやすく、視界も狭くなってよく見えないという事態に。ライブハウスなど小規模な会場なら6倍程度、ドームのアリーナ席で6~8倍程度、2階席で10倍程度が目安となります。

 昨今の双眼鏡人気の高まりを商機ととらえた家電量販店では、売り場作りや接客を強化。東京ドームや京セラドームといった全国の主なライブ会場の座席図を展示して、最適な倍率の機種を選びやすくする工夫を凝らしている店舗も。

 

 会場内に大画面モニターがあるにもかかわらず、自分がいま見たいアーティストの表情を自分のペースで追いかけたい、ステージ上で着ている服や靴を双眼鏡でチェックして同じブランドのものを手に入れたい……こういったファンの思いが、躊躇することなく何万円もする高機能・高単価の双眼鏡を手に取らせます。そんな現状の需要の高まりに加え、来年には東京五輪が控えています。双眼鏡市場にとって、さらなる需要増を阻む要因はどこにも見当たりません。

 


【参考】
キャノン https://canon.jp/
オリンパス  https://www.olympus.co.jp/
ビクセン https://www.vixen.co.jp/
ニコン https://www.nikon.co.jp/
日経МJ(2018年6月13日付/同9月3日付/同9月12日付/同11月26日付)




ページの先頭へ