毎月レポート

17.01.01

和食の原点、だし

 ふだんは食の洋風化が進むわたしたちの食生活ですが、この時期はおせち料理やお雑煮など、伝統的な料理が食卓に並びます。そこに欠かせないのが「だし」の存在です。

 だしとは、食材からうま味成分を抽出した汁を言います。日本料理なら鰹、昆布、煮干、きのこなどが使われ、ブイヨンやフォンと呼ばれる西洋料理のだしや、湯(タン)と呼ばれる中華料理のだしには、牛や鶏、魚の骨やすじ肉が使われます。

 だしをとることを、だしを引くとも言いますが、これは素材のうま味を自然に引き出すという意味合いもあるのだそう。たしかに西洋や中華のだしは長時間煮出して完成させますが、日本のだしは長くて1晩水につける程度です。なるほど「引く」は「引き出す」だったのですね。

 では日本料理のだしは、いつからどのように使われるようになったのでしょうか。奈良・平安時代から食べられていた鰹や昆布がだしとして文献に登場するのは、室町時代後期です。今でいう料理本に「鰹節を布の袋に入れてよく煮出し、調理する」という記述があり、これがだしに関する最古の記録です。江戸時代になるとさまざまな料理にだしが使われるようになり、鰹節だけでなく昆布だしや、鰹と昆布のあわせだしが登場し、鯖節、煮干など、地域ごとに独自の進化をとげました。

 そんな料理の味を支えるだしのおいしさの秘密は、うま味です。甘味、酸味、塩味、苦味に次ぐ第5の味であり、今や「UMAMI」として、国際的にも知られています。成分としては、昆布などのグルタミン酸、鰹節などのイノシン酸、干ししいたけなどのグアニル酸の3種類があり、2種類以上あわせて使うと、単独で使うよりもおいしくなることが研究でも裏付けられています。それを舌と経験値だけで完成させた先人たちのすごさがわかりますね。

 さらにだしは、健康が気になる世代の方の力強い味方です。だしをきかせることでうま味やコクが生まれ、塩分や糖分を無理なく減らせるのです。家事の時短化が進み、インスタントのだしの素も豊富に揃う中で、だしからとって料理をつくる機会は減っていると思いますが、ここぞ!の時の料理には、ぜひチャレンジし、奥深いだしのおいしさを味わってみてはいかがでしょうか。


【参考】
国立国会図書館 http://www.ndl.go.jp/
味の素株式会社 http://www.ajinomoto.co.jp/
株式会社にんべん http://www.ninben.co.jp/
ヤマキ株式会社 http://www.yamaki.co.jp/
東海旅客鉄道株式会社 http://jr-central.co.jp/
読売新聞社



鼻呼吸できてますか?

 当たり前過ぎて、普段はあまりにも意識しない「呼吸」。でも最近、「鼻呼吸」「口呼吸」という言葉を見聞きする機会が多くなったように感じませんか?

 わたしたちの鼻は、呼吸を行うだけでなくにおいを感知する機能がありますが、それだけではありません。鼻毛や粘膜は、空気中のゴミやウィルスを取り除き、空気清浄をするフィルターのような役割を持っており、乾燥した空気を鼻腔で湿らせる加湿の役目も担っています。つまり、鼻のおかげで空気が最適な温度になって肺に送り込まれ、空気中のウィルスや細菌から守られているのです。口呼吸がどれだけ無防備かわかりますね。

 鼻呼吸とは、優れた能力を持つ呼吸器である鼻を使った呼吸方法です。本来人間の呼吸は鼻呼吸が基本なので、生まれた直後から1歳くらいまでは、完全な鼻呼吸なのだとか。ところが、離乳食を覚え始めたあたりから口呼吸を覚えてしまうそうなのです。そのために乳幼児期より唇を閉じる学習が必要とも言われています。

 自分は鼻呼吸ができている、と思っていても、実は就寝中などは意外と口呼吸に頼っているケースも少なくないようです。口が渇きやすい、いびきや歯ぎしりをする、唇が乾燥する、鼻がつまりやすいなど心当たりがあれば要注意です。口呼吸を続けると、のどの痛みや乾燥につながるだけでなく、扁桃や上咽頭が炎症を起こしたり、さまざまな疾患を招くこともわかっています。

 最近は、鼻呼吸を習慣化するためのトレーニング法やグッズも揃っています。また、普段から舌の位置に気をつけてみてください。正しい舌の位置は、舌全体が上あごにぴったり密着している状態です。 わたしたちの健康と密接な関係を持っている鼻呼吸は、意識して習慣づけることでその効力を発揮するといえそうです。


【参考】
鼻のクリニック東京 http://nose-clinic.jp/
岡田厚生堂薬局 http://okada-kouseido.com/
いしゃまち https://www.ishamachi.com/



菌活で冬を乗り切ろう!

 就職活動を略して「就活」。この言葉、すっかり定着しただけでなく、美活、温活、婚活など多くの派生ワードを生み出しました。そして今注目されているのが「菌活」なんです。菌活とは、体に良い菌を積極的に取り入れる活動のこと。私たち日本人は古くから味噌やしょう油、納豆や漬け物といった、菌を使った食品を日常的に食べていますが、それをさらに意識して摂取しましょうという動きです。

 菌と言えば、納豆菌、ヨーグルトなどに含まれる乳酸菌、味噌や甘酒、しょう油づくりに欠かせない麹菌、日本酒やワイン醸造に必要な酵母菌、一大ブームを巻き起こした塩麹などが思い浮かびますが、実はきのこ類も、第3生物群「菌類」として分類されています。他の菌と違い、きのこは菌を丸ごと食べる食材です。豊富な食物繊維を栄養にすくすく育った善玉菌が腸内環境を整えてくれる他、コレステロール値の抑制や免疫力のアップといった作用があります。

 さて、ここでちょっと話題を変え、「食品」の話をしましょう。私たちは健康を維持するために、糖質・脂質・たんぱく質の三大栄養素プラス、ビタミンや食物繊維などを食品から摂取しています。食品が私たちの体に働きかけていることを「食品の機能」と言い、この中には、三大栄養素などの栄養的価値を指す一次機能、味や香り、おいしさなど感覚的な二次機能、そして生体調節作用である三次機能の3つがあるのです。
菌活はまさにこの三次機能につながるもので、「生体恒常性の維持」つまり生体の内部環境を一定の状態に保つ働きの維持に役立つといわれているのです。

 ただし菌は体内に留まることが出来ないので、貯「菌」ができません。毎日少しずつでも継続して摂取することが大切です。

 これから本格的な寒さを迎えますが、菌を意識した食生活「菌活」で健康な毎日をお過ごしください。  


【参考】
ホクト株式会社 http://www.hokto-kinoko.co.jp/
株式会社ダイヤモンド社 http://diamond.jp/
東彩ガス株式会社 http://www.tosaigas.co.jp/
国立大学法人大阪教育大学 http://osaka-kyoiku.ac.jp/
読売新聞社

ページの先頭へ